SSブログ

ノートPCのパームレストを113円で布張りにした [ハードウェア]

このエントリーを含むはてなブックマーク

修理に出していたノートPCのパームレストが新品になって戻ってきました。パームレストというのは、トラックパッドの左右の「何もないところ」のことです。キーボードを打つときなんかは(文字どおり)手のひらを置くため、使っているうちにだんだん色褪せてくる部分でもあります。せっかく新品になったので、布を張ってみることにしました。
パームレスト
↑パームレスト (テカって見えるのは、修理戻り直後でまだ保護フィルムが貼ってあるため)

■布張りの利点

布を張る最大のメリットは、汚れたら張り替えればいいところです。パームレスト自体が褪色してしまうと、修理に出さないかぎりパームレストを交換するのは難しいですが、布の張り替えなら自分でもできます。
さらに、布なのでプラスチックよりは触感が良く、特に手に汗をかきやすいタイプの人はベタつきを抑えられるんじゃないかと。
また、パームレストは結構PC内部の熱で温まりがちですが、布を張ると多少の断熱効果があるので、微妙な温もりから解放されるという利点もあります。

「PCに布を張る」という行為はそんなに突拍子のないことでもなく、デスクトップ用キーボードでも「革張り(調)仕上げ」なんて製品もありますし、ノートPCでも「本革張り」と謳う品すらあります。
Microsoft Natural Ergonomic Keyboard 4000 マイクロソフト ナチュラル エルゴノミック キーボード 4000
アマゾンメーカー公式サイト
「手を休めるクッション パームレストには革張り調仕上げを採用し、高級感を演出します」(商品説明より)
革張りノートPC (ASUS S6F)ASUS S6F(ノートPC)
天板とパームレストは本革張り
参考記事:デザインと使い勝手を両立した革張りモバイルノートPC――ASUS「S6F」(ITmedia)

上の例はどちらも「高級感(の演出)」という点で革張り(調)を採用しているようですが、高級と言われる所以を考えれば「使い心地の良さ」もきっとあるはずで、まあ革張りとまではいかなくても布張りを試してみるのも一興ではないでしょうか。

■糊付きの布をハンズで買ってくる

さて、どんな布をどう張るかが問題ですが、あんまり器用さに自信のない私は、糊付きの布を買ってくることにしました。
そんな都合のいい物、どこで売ってるんだ? という疑問が湧きますが、そういう時は東急ハンズ。「あったらいいのに」と思う物が本当にあるので恐ろしい店です。ユザワヤでもいいかもしれません。

新宿のハンズ5階、「壁材」売り場でちょうどいい品を発見。ロールで販売されている壁紙に混じって、「粘着シート」という名前で売られていました。
粘着シート(スエード)
表は、何と形容しましょうか、手触りは「安っぽい宝石箱の内側にでも張ってありそうな布」といった感じです。売り場には「スエード」と書いてありましたが、まあそう思えなくもないかなと。
裏はシール状になっていて、これなら切って貼るだけですから、手先に自信がなくても何とかなりそうです。

この「粘着シート」はロールになっていて、10cm単位で買うことができます(幅は45cm)。パームレストを測ったところ10cm×24cmあれば良さそうなので、失敗したときの予備を考えても、最小単位である10cm買えば済みそうです。
気になるお値段は……?

粘着シート(スエード)レシート
売り場には「単価1,134円」と書かれていて一瞬引きますが、それは1m買ったときの値段。0.1mなので113円です。仮に失敗しても、諦めようが再挑戦しようが心苦しくない価格帯です。
売り場には「スエード」と書かれていたのがレシートでは「ベロア」となっていますが、実際には特に高級感はまとっていない、石油由来製品です。

■まずは型紙を作る

さて、買ってきた布をいきなり切ってもいいですが、大きさや形が合わないと悲しい思いをするので、まずは型紙を作ります
と言っても難しいことはなく、来週の資源ゴミの日に出す予定だった要らない紙でも引っぱり出してきて、パームレストの形に合わせて切るだけです。
Inspiron6000パームレスト(2)
切ってみると、液晶パネルのラッチ部分を避けたり、キーボードの形に合わせたり、微妙な調整が必要なことに気付きます。
型紙はミリ単位で丁寧に作るのがお勧めです。形や大きさが合わなかったら、横着せずに作り直しましょう。布を切るときに微調整しようなどと思わず、本番は「型紙のとおりに切るだけ」にしておいたほうが安全です。

■型紙のとおりに布を切る

型紙が完成したら、それを布に重ねて、布を切ります。
型紙と布がずれないように、糊で貼っちゃってもいいかもしれません。布の裏は剥離紙(シールの台紙)ですから、糊が付いちゃってもどうせ剥がして捨てるので問題ありません。
なお、型紙の裏表を間違えないようにしましょう。言うまでもないことですが、意外とありがちな罠です。

■角を丸く切る

布の角、90°になっているところは、ちょっと丸く切っておきましょう。角を尖らせたままにしておくと、使っているうちにだんだんそこから剥がれてくるものです。
その際、アール(半径)は統一しましょう。アールが1.0mmの角と1.5mmの角が混在していると、たった0.5mmの差ですが、けっこう気になります。目分量で切るんじゃなくて、定規で測ることをお勧めします。

■貼る

切ったら、あとは貼るだけです。
ずれたり斜めになったりしても、剥がして貼り直せばいいだけです。きれいに剥がれます。

■完成!

Inspiron6000パームレスト(3)
「……なんか貧乏くさくない?」と言われると微妙なところですが、113円だったことを思い出せば、まあ仕方ないかという気になります。布を本当のスエード(天然皮革)にでもすれば見た目も触り心地も別世界でしょうが、必要な加工技術や材料費も別世界です。そこは各々の腕と財布に応じて調整していただければ幸いです。

ところで、パームレストに元から貼ってあったシールは邪魔なので剥がしました。(写真右側に落ちてる2枚)
これらは貼ってなくても特に差し支えないので、ゴミ箱へ。

■まとめ

以上、総工費113円、総作業時間1.5時間でパームレストの布張りが完成です。
今回は写真を撮ったりしながら進めたので時間がかかりましたが、さくさく進めれば小一時間くらいでできそうです。

使ってみると、長時間PCを操作していても手のひらがじっとりしてこないことが思っていたより快適です。パームレストってけっこう温まるモノなのだなと思わされます。
(逆に言うと、ファンレスでパームレスト部も金属でできているようなノートPCの場合、布張りはしないほうがいいかもしれません。PC内部の熱をパームレストからも放熱しているからです)

惜しむらくは、素材の選択肢があまりないこと。私の行った店では布タイプの粘着シートは白・グレー・黒くらいしかなく、白は汚れが目立つし、黒は仰々しいし……と考えるとグレーしか選べませんでした。このPCの場合は元々パームレストがシルバーだったので、グレーの布を張ってもさほど違和感はないですが、やはり「ネズミ色!」という感じは出てしまいます。
「パームレストの汚れを防ぐ」という目的だけでしたら、選択肢が無数にあるカッティングシートを貼るという手もありますが、この布の感触はちょっと捨てがたいところです。

最初はこれで試してみて、作業内容に多少の自信がついたら、次は両面タイプの粘着シートに挑戦するのがいいのかもしれません。一手間増えますが、好きな布(それこそ本革でも)が張れるようになります。


nice!(0)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:パソコン・インターネット

nice! 0

コメント 1

ひよお

なるほど、参考になりました!
by ひよお (2010-04-25 22:53) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。